運行管理者とはどんな役割を持った人?主な業務内容をご紹介!

公開日:2023/01/15   最終更新日:2023/11/29

トラックをはじめとする自動車を活用した運送業者は、自社サービスの利用者に対して安全で確実な輸送の義務があると同時に、社会に対しても安全運転を実践することで地域の信頼にこたえることが求められます。そのためには運行管理者の存在が欠かせません。今回は運行管理者の役割と、主な業務内容についてご紹介します。

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運行管理者の役割とは

物流業などの職業ドライバーは勤務中、一般車両や歩行者に混ざって走行するため、高い安全意識と正常な判断を下せる健康な心身が必要不可欠です。一方で、事業の利益を優先するあまり、ドライバーに過酷な労働ノルマを強いたり、休息のない過重労働スケジュールを押し付けたりといった、管理側の責任でドライバー自身が健康を維持できずに、取り返しのつかない大事故に発展してしまった例も過去に発生しています。

2003年5月に三重県鈴鹿市の東名阪自動車道で発生した11名が死傷した事件や、2016年に山陽トンネルで発生した重軽傷者70名、死者2名を出した大事故のいずれにおいても、事故後の調べによりドライバーがほとんど休みなく働き詰めていたことが判明し、運行管理者に対して逮捕や有罪判決といった厳しい処罰がくだされています。

運行管理者は経営者に代わって、ドライバーの労働条件と健康状態を管理し、問題点があれば改善をおこなうことで車両の運行の安全を確保することが主な役割です。労務管理のためだけにドライバーの勤務スケジュールを作成すればよいというものではなく、過酷な労働を強いられている者はいないか、適切な勤務スケジュールが組まれているか常に把握することも大切です。

もちろん人手が十分に確保できていない場合など、経営のことを考えながら労働時間を調整することは困難なケースも少なくありません。しかしドライバーの過労が原因で労災事故や死亡に至ってしまった場合に、会社が受ける損失は計り知れません。

2016年の山陽トンネルで発生した事故では、事故によりドライバーも命を落としており、安全配慮義務違反であるとして裁判では会社に対して約6,000万円の損害賠償を命じる判決を出しています。自社のドライバーの労災事故や過労死を防ぐためには、適切な労働が行われているか、運行管理者が把握・調整することが欠かせません。

運行管理者の業務内容

運行管理者は国土交通省が認定する国家資格です。事業用自動車の安全を確保するスペシャリストのことで、事業の経営者と、労働者(ドライバー)をつなぎ、事業が安全かつ円滑にすすむようにサポートする重要な役どころといえます。特に物流業界においては運行管理者がいなければ運送業許可申請が受理されないため、必要不可欠な存在です。

主な業務として、車両管理、ドライバーの勤務スケジュールの管理、輸配送ルートの管理、安全管理、労務管理などが挙げられます。車両管理は事業に用いる車両に異常がないか、燃料やオイル、ブレーキ、タイヤなどの車両を構成するパーツの状態確認と、走行距離や積載量といったデータ管理、必要に応じて車検・リースの手配など車両全般の管理をおこないます。

スケジュール管理は納品先が指定する時間に確実に車両が到着できるよう、出発時間などのスケジュールを管理します。輸配送ルートの管理では、指定時間内に輸配送ができるよう、集荷先から配送先への最適ルートを割り出します。高速料金、燃料費、物流量、道路状況(工事、事故)など、定期的にルートの見直しが必要です。

安全管理では勤務中の事故を防ぐための管理や指導をおこないます。労務管理では、ドライバーの勤務時間や休日の確保、対面での点呼実施(疲労・健康状態のチェック、安全運転指示)、運転免許証の有無と点数把握、飲酒チェックなど労務全般の管理をおこないます。ドライバーの過労や過積載などが原因で事故が起きた事例も多く、労務管理は重要視されています。

これら運行管理者の業務内容は、事業内容により多少異なります。運行管理者はトラック1台~29台までは1人以上常勤する運行管理者が必要です。所有するトラックが30台~59台の場合は2人、60台~89台の場合は3人、というように30台増えるごとに必要となる運行管理者は1人ずつ増えます。また、ひとつの事業所に複数の運行管理者が在籍する場合には、統括運行管理者を選任する必要があります。

運行管理者の義務と権利

運行管理者には定期的な講習受講が義務付けられています。職務の遂行に必要な知識や能力向上を目的として、2年に1度の定期講習(一般講習)が義務付けられています。また、事故を引き起こした運行管理者に対しては、特別講習の受講が義務づけられています。引き起こした事故が悪質な法令違反をともなっていた場合においては、運行管理者は運行管理者資格者証を返納しなくてはなりません。

権利は休日など運行管理者不在時に業務を代行する補助者を選任できます。補助者は運行管理資格者または国土交通省が認定した講習を修了している者に限られます。また、運行管理者自身がドライバー業務をこなすことも可能ですが、点呼は自分自身で行えないため、他の運行管理者・補助者が必要になります。

運行管理にはデジタコがおすすめ

事業所で経営者とドライバーの間に立ち、健全に業務が遂行できるかどうか定期的にチェックする運行管理者の責任は重大です。特に一人当たりが管理するドライバーの多い、大規模な事業所では、運行状況の把握だけでも一苦労です。

運行管理を効率よくこなさなければならない場合にはデジタコの導入がおすすめです。特にリアルタイムで運転データを取得・分析できる製品だと、ドライバーの休憩状況や運転状況に応じた警告アナウンスや、運転評価できる機能もあり、ドライバーへの安全運転指導の一端を担ってもらえます。

またアナログタコグラフと比べてデータ読み取りの時間も不要で、数字データをそのまま集計したり、グラフ化したりできるため、大幅な業務効率の改善が期待できます。

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まとめ

運行管理者の役割について主な業務内容をご紹介しました。運行管理者は国土交通省が認定する国家資格で、事業用自動車の安全を確保するために欠かせない存在です。特に物流業界においては運行管理者がいなければ運送業許可申請が受理されないほどです。

運行管理者の主な業務は車両管理、ドライバーの勤務スケジュールの管理、輸配送ルートの管理、安全管理、労務管理です。特に労務管理は重要で、ドライバーの健康管理などを対面点呼などで行うことが求められます。運行管理にはさまざまな走行時の情報をリアルタイムで取得できるデジタコがおすすめです。

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