【最新版】2024年デジタコ義務化!?

公開日:2024/04/26   最終更新日:2024/10/17

デジタコ

デジタコには何が記録される?

デジタコとはデジタル式運行記録計のことです。デジタコに記録されるのは運転者の氏名、トラックのナンバーと識別情報、運転の開始と終了地点、運転した日時、主な通過点、走行距離、運転手の交代場所と日時、睡眠や球形の場所と日時です。運行に関する記録が自動的に記録される機器と考えるとよいでしょう。

デジタコの対象となる自動車は?

デジタコを搭載しなければならない車両は車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以下で、トラックやバス、タクシーなどの商用車が対象となります。デジタコの普及率はトラック事業所で87%、バス事業所で90%とどちらも9割近い普及率となっています。

デジタコが必要な理由

デジタコが必要な理由は3つあります。1つ目は業務用車両の事故を減らすためです。運行記録をチェックして乗務員の勤務状態を確認するとともに、データをもとに安全運転指導を行って乗務員の安全意識の向上をはかります。

2つ目は業務の効率化です。デジタコに記録されている車両運行のデータを集めて燃費の節約や運送業務の無駄を見直すといった効率化をはかります。

3つ目はドライバーの労務管理です。これまで長時間労働を指摘されてきた運送業界で、デジタコの記録にもとづいて長時間労働を是正する効果が期待されています。

いつから義務化?

デジタコの搭載義務は2024年(令和6年)4月1日からで、車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上の事業用車両の全てが対象となります。しかし、すでに販売している車両(既販車)は1年の猶予が認められ2025年(令和7年)4月1日から適用となります。

デジタコを搭載していないとどうなる?

2024年からデジタコの搭載が義務化されていますが、違反したらどうなるのでしょうか。未装着だった場合と不備があった場合の2つの対応を見てみましょう。

まず、デジタコが未装着だった場合は道路交通法の「記録義務違反」となるため、車両が使えなくなったり罰金刑の対象となったりします。処分を受けると1か月間仕事に従事できなくなり、企業も社会的な信用を失うリスクがあります。

デジタコを装着していても不備があれば罰金刑の対象となります。デジタコの時計の損傷やSDカードを入れていないといったことも処罰の対象となります。

デジタコのメリットとは?

デジタコの導入は、運輸業を営む会社にとってたくさんのメリットをもたらします。例えば、正確な運行管理ができるようになったり、ドライバーが安全運転をする様に促すことができたり、効率的な業務運営や車両メンテナンスの最適化などにもつなげられるなど、アナタコにはない魅力がたくさんあります。

他にもどんなメリットがあるのか、6つの視点からご紹介しましょう。デジタコを導入することは、企業としての競争力を高めるだけでなく、従業員の働く環境を整えて安全で効率的な運行を実現するための重要なステップですから、ぜひメリットを理解した上で、前向きに導入を検討していきましょう。

正確な運行管理の実現

デジタコは、走行速度、走行距離、運転時間などのデータをリアルタイムで記録します。従来のアナログタコグラフでは記録に誤差が生じることがありましたし、走行距離や時間・速度程度しか記録できませんでした。一方で、デジタコは高精度なデータを取得できるため、運行計画の策定や改善に役立ちます。

ドライバーの安全運転の促進

デジタコは、運転手の運転習慣を可視化します。たとえば、急加速や急ブレーキ、スピード超過などのデータ、なかにはドアの開閉状況まで記録できます。これらのデータを分析することで、運転手の運転スタイルを把握し、安全運転ができているかどうかを評価できます。

仮に危険運転がされていれば、デジタコでそれを「見える化」することで、より具体的な安全意識工場の教育につなげられます。車両を運行させる事業において、安全運転教育はとても大切です。デジタコで収集したデータを元に運転手への指導や教育ができればより安全意識を従業員に持たせることができます。結果的に、事故のリスクも減らせます。

法令遵守の強化

運輸業界では、運転時間や休憩時間に関する厳しい法令が定められています。多くのデジタコが、運行データを解析したり専用ソフトウェアにより運転記録などを自動作成できるため、ドライバーの労働時間の管理などを徹底できます。

企業として、法令違反のリスクを軽減するための取り組みをしているかどうかは、企業の信頼性向上にも影響します。また、万が一の監査や調査の際にも、証拠となるデータを簡単に提出できるため、トラブルを避ける助けになります。

効率的な業務運営の促進

デジタコは、集めたデータをもとに運行効率を分析する機能を持っています。そのため、燃費や運行コストの分析を行うことで、運行ルート見直しや安全運転の徹底による燃費改善の取り組みがしやすくなります。

例えば、特定のルートでの運行コストが高い場合、別のルートを検討するなどの改善策を講じることもできるでしょう。また、GPSの位置情報を使えば、車両がいつどこにいるのかも含めて運行状況を正確に把握できるのも大きなメリットです。例えばタクシーであれば、位置情報からより効率よく配車でき、よりたくさんのユーザーに利用されるタクシーサービスを提供できます。

燃費改善

デジタコに急加速や急減速の回数、アイドリングの無駄があるかどうかなど運行データを分析させることで、燃費を改善する取り組みもしやすくなります。デジタコを導入することで、エコドライブを実現できれば、CO2排出量の削減にもつながります。

SDGsが叫ばれ、環境への配慮が運輸業界にも求められている今、企業の社会的責任を果たすことができる点も大きなメリットです。

データの一元管理

デジタコに記録されたデータはメモリーカードやネットワーク通信を介することで簡単にパソコンなどに取り入れられます。これにより、運行データを一元管理することができればドライバーの日報や報告書のを書く手間が減ります。

業務が効率化されるだけでなく、今まで紙ベースで管理していた運行情報や勤怠管理などの集計が簡単になります。過去の運行履歴を振り返りながら、今後の運行計画をつくれますので、データを集約して視覚化し戦略的な経営の意思決定にも繋げられるでしょう。

デジタコのデメリットとは?

デジタコ導入は、デメリットをはるかに上回るメリットがあります。ですが、コストやドライバーへの影響など知っておきたいデメリットがあるのも確かです。スムーズにデジタコを導入するためにも、デメリットについても知っておきましょう。

コスト

デジタコを車両に搭載するためには、導入費用がかかります。アナタコと比べて、導入費用はデジタコの方が高く、相場は大体1台あたり5万円〜数十万円程度です。機能によっても価格差がありますので、導入の目的や導入後にどんな効果を期待するかを冷静に判断しながら、機器を選定しましょう。

ドライバーへの影響

デジタコを搭載した車を運転するドライバーにとっては、走行中のあらゆるデータが記録されるデジタコは心理的にストレスになりかねません。常に監視されているような気持ちになるドライバーもいるかもしれません。

そのため、「安全運転ができるようになる」「日報を書く手間が減る」などデジタコの導入がドライバーにどんなメリットをもたらすのかをきちんと説明することが大切です。

データ管理上のリスク

デジタコによる運転データは全てデジタルで記録されます。そのため、万が一機械が故障したり何らかの原因でサーバーが使えなくなったりした場合にはデータ破損のリスクがあります。また、情報漏洩リスクなどにも対応しなければいけないため、企業にとっては新たなリスク管理が必要になる点がデメリットと言えるでしょう。

ただし、データ破損のリスクはSDカードの定期的な初期化作業などのメンテナンスを徹底したり、こまめなバックアップによって予防できます。

できるだけ早くデジタコを導入しよう

デジタコは大半の事業所で導入済みですが、導入コストが高いことや取り付けに手間がかかることから、装着していない事業者も存在しています。

しかし、未装着で処罰を受けると、コンプライアンスが低い事業者・運転手とみなされ事業に悪影響を与えかねません。規範車であっても2025年4月1日から完全義務化されることをふまえると、できるだけ早く導入したほうがよいでしょう。

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