タクシーにもデジタコは導入すべき?導入のメリットとは

公開日:2024/12/15  

デジタコ タクシーデジタコとは、デジタルタコグラフの略称であり、車両の速度や運行時間などを記録する機械のことです。トラックなどでは装着することが基本となっていることもあり、タクシーはどうなのか気になっている方も多いでしょう。そこで本記事では、デジタルタコグラフの基本的な機能を解説したうえで、タクシーへの設置は義務なのかなどを解説します。

デジタルタコグラフとは

デジタルタコグラフとは、商用車やトラックなどの運行管理に使用される装置です。車両の走行速度、運行時間、距離、休憩時間などのデータをデジタル形式で記録します。従来のアナログタコグラフとは異なり、デジタルタコグラフはデータを正確かつ詳細に収集します。これにより運転者の疲労管理や安全運転の促進に役立つため、多くの企業が導入しているのです。

また、GPSと連動して位置情報も取得できるため、運行経路の把握や効率的な配車計画にも活用されています。デジタルタコグラフの導入により、運行データの分析や管理がしやすくなり、運行効率の向上や事故リスクの軽減、事故が発生したときのスムーズな原因究明などに役立つとされています。また、データは電子的に保存・管理されるため、運行管理業務の省力化や正確な記録を保管するのにも便利です。

タクシーへのデジタコ設置は義務なのか

運送業界に携わっていると、デジタコという言葉を頻繁に耳にするでしょう。道路交通法において、トラックなどの大型車両にタコグラフの装着が義務付けられています。しかし、道路交通法においては、デジタコかアナタコかについての規定はありません。ただ、デジタコの方が利便性が高いことから、デジタコを導入するのが一般的となっています。

しかし、同じ運送業界であるタクシーについては、どのような設置ルールが設けられているのか気になっている方も多いでしょう。結論として、すべてのタクシーでデジタコの設置が義務づけられているわけではありません。現状、法人タクシーにおいては一部地域でデジタコの装着が法的に義務づけられていますが、個人タクシーには設置義務は課されていないのが実情です。

具体的には、東京都心、大阪市、京都市といった大都市で法人タクシーとして営業される車両は、デジタコの装着が法的に義務化されています。都市部は交通量が多く、運転者および利用者の事故リスクが比較的高いと考えられるため、デジタコによって走行記録や運転時間を把握し、過労運転の防止や安全運行の徹底が図られています。デジタコを導入することで運行データが自動的に細かく記録されるため、タクシー事業者にとっても運転者の健康管理や安全対策が取りやすくなるのです。

また、昨今の交通安全意識の高まりに伴い、デジタコの義務化対象エリアは今後さらに拡大する見込みです。将来的にはより多くの地域で法人タクシーへのデジタコ設置が義務づけられる可能性もあるでしょう。

タクシーにデジタコを導入するメリット

タクシー業界では、都市部の法人タクシーにデジタコの設置が義務化されていますが、そもそもどのようなメリットがあるのでしょうか。まず、デジタコはドライバーの運転意識向上に寄与します。デジタコによって運転状況が記録されるため、タクシー運転手は運転記録を取られているという意識を持ちやすくなり、安全運転を心掛けやすくなるメリットも見逃せません。

また、デジタコが記録するデータにより急加速や急ブレーキの有無などが把握できるため、企業側もドライバーが危険な運転をしていないか把握しやすくなります。さらに、デジタコは事故発生時の原因特定をスムーズにするというメリットもあります。万が一事故が発生した際、デジタコの走行データを基に、事故の発生状況や原因を詳細に分析することが可能です。

どこで急ブレーキや急加速をしたのか、スピード違反をしていないかといった情報がすぐにわかるため、責任の所在が明確になりやすくなります。そのため、事故発生時の対応がスムーズになりタクシー事業者の負担も軽減されます。

加えて、デジタコの導入により運転日報の作成が効率化されることもメリットです。これまで手作業で行われていた日報作成がデジタコで自動化されるため、タクシー運行の管理業務が大幅に簡便化されると同時に、作業時間の短縮や事務処理の軽減につながります。

また、デジタコで集積したデータの解析も容易に行えるため、運行データの分析や管理をしやすくなります。このようにデジタコの活用によって、日々の運行における正確な記録の保持や業務効率化が実現できるため、設置義務化の対象ではないタクシーも導入を検討するのがおすすめです。

まとめ

デジタコとは、商用車やトラックなどの運行管理に使用される装置です。車両の走行速度、運行時間、距離、休憩時間などのデータをデジタル形式で記録できます。都市部のエリアの法人タクシーでは設置が義務化されています。ただし、個人タクシーや対象エリアに入っていないタクシーは、設置が義務化されていません。とはいえ、デジタコを設置することで安全運転への意識が高まったり、業務の効率化につながったりとさまざまなメリットが期待できるため、積極的に導入を検討するのがおすすめです。

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