トラックの事故率は高い?事故を起こさないためにできることを考えよう

公開日:2024/10/15   最終更新日:2024/10/31

トラック運転手は、一般の人よりも運転時間が多いため、事故に遭うリスクが高いといえます。ニュースなどでトラックが関連する事故を見かけることがあり「トラック運転手は事故を起こしやすい、巻き込まれやすい」というイメージを持っている方も多いでしょう。そこで本記事では、トラックの事故率などを解説します。

トラック事故は多い?事故の現状について

全日本トラック協会の分析によると、死亡事故はやや減少傾向です。しかし、依然としてトラックが事故の第一当事者となるケースがあるとしています。また、トラックによる事故が多く発生する場所として、一般道路が挙げられます。

トラック事故全体の80~90%が高速道路ではなく一般道路で発生しており、交通量の多さや道路状況が原因であると考えられるでしょう。また、事故が発生する地域については、トラックが所属する車籍地以外の場所での事故が全体の54.1%を占めています。トラックは長距離を移動することが多いため、他地域での事故が高い割合を示していると推測されます。

事故の対象となる車両のタイプの特徴も見逃せません。死亡事故が多い車両は大型トラックであり、全体の50~60%を占めています。大型トラックは車両重量が重く、事故が発生した際に重大な被害をもたらしやすいという側面があります。

また、事故形態についても分析がされており、トラックと他車両との衝突事故が50~60%を占めていることがわかりました。このことからも、トラックと他車両の接触による事故が、重大な事故に結びつくケースが多いことがわかります。

そのほか、トラック運転手の死亡事故が起こりやすい時間帯は早朝の4~6時ごろであったり、対物事故の多くが歩行者の横断中に発生していたりすることもわかっています。このことから、トラックによる死亡事故の多くは、運転手の疲労や注意力の低下、判断ミスが影響していると考えられているのです。このことから、事故防止に向けた対策の強化が求められています。

事故の補償が自腹になるケースとは

トラック運転手が事故を起こした場合、損害が自己負担となるケースが存在します。

たとえば、運転手の過失が大きいと判断される事故では、自ら賠償費用や修理費を負担することになる可能性が高いです。運転手の過失が大きいケースとは、飲酒運転やスマートフォン操作によるわき見運転、居眠り運転、大幅な速度超過などが挙げられます

このように、明らかな交通ルール違反が事故の原因となった場合には、事故の責任を運転手が負うことが一般的です。また、モラル違反や法令違反が著しい場合も、運転手が自腹で賠償しなければならないのが基本です。

たとえば、あおり運転などの悪質な行為が事故の原因となった場合、結果的に事故の責任を個人で負うことにつながります。飲酒運転やあおり運転、わき見運転などは、事故そのものだけでなく他者への危険を招く非常に危険な運転とされています。

そのため、会社が運転手を保護するのではなく、運転手の自腹となるケースが一般的です。一方で、運転中に生じた不可抗力的な事故などの場合、多くの企業は一定の補償制度を設け、運転手が事故にかかる費用を全て負担することは避けられるようにしています。

事故を起こさないためにできること

トラック運転手の事故リスクが高いとはいえ、事故を防ぐためにできることもあります。

まず、運転手自身がしっかりと休息を取り、万全な状態で運転に臨むことが事故防止の第一歩となります。疲れや睡眠不足は反応速度を鈍らせ、集中力を低下させるため、定期的な休憩や十分な睡眠は事故防止に欠かせません。

また、スケジュールには余裕を持たせ、焦らずに運転することも重要です。余裕があるスケジュールは心のゆとりを生み、急ブレーキや無理な運転を避けることで安全につながります。

さらに、事故のリスクが高まる要因として、慣れた道での油断が挙げられます。日常的に利用する道路は、注意が疎かになりがちですが、常に注意を怠らないように心がけましょう

加えて、他車両との衝突を防ぐために車間距離をしっかりと確保することも大切です。トラックは重量があり、一般車両よりもブレーキが効きにくいため、十分な車間距離をとることで周囲の予測できない動きにも冷静に対応しやすくなります。

そのほか、視界が悪くなる夕暮れ時や夜間は、早めにヘッドライトを点灯させることも事故防止に効果的です。早い段階でのライトの点灯は、他のドライバーや歩行者に存在を知らせるだけでなく、運転手自身の視認性を高めて安全な走行につながります

また、基本的にトラックなどの営業車両には「デジタコ」が搭載されています。デジタコとは運転記録計のことであり、速度や運行状況、急加速、急減速、急ハンドルなどを記録できるものです。デジタコの記録を確認することで、どのような場所で急ブレーキを踏んだのかがわかるため、反省を踏まえることで事故防止につながります

まとめ

トラック運転手は、一般の運転手よりも多くの距離・時間を運転している分、事故リスクが高いといえます。実際に死亡事故に発展しているケースもあるため、リスクを軽減するためにもしっかりと対策することが大切です。また、重大な過失のある事故の場合は、保険や会社が守ってくれず、自分で賠償しなければなりません。仕事としてトラックを運転するからこそ運転に慣れても常にプロ意識を持ち、交通ルールを順守した安全運転を心がけましょう。

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