アナタコからデジタコに乗り換えるメリットとは?導入する際の流れも解説

公開日:2022/12/01   最終更新日:2023/11/29

タコグラフは車両の走行状況を計測する機器です。取得データを読み取ることで、その車両が法定速度や休憩時間を遵守しながら走行しているか分析し、管理することを目的としています。タコグラフにはアナログ式とデジタル式が存在します。今回はアナタコからデジタコに乗り換える際に役立つ、メリットと導入の際の流れについて解説いたします。

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アナタコとデジタコの違い

タコグラフは車両の総重量が7トン(最大積載量4トン)以上の事業用貨物自動車に設置が義務付けられています。

タコグラフの「タコ」は回転速度計を意味するタコメーター(Tachometer、速度を意味するギリシャ語「takhos」が語源)から由来したもので、データを円形のグラフ用紙に回りながらデータを記録(Graphik)するためタコグラフという名称がつけられています。

タコグラフが記録するパラメータは、法の三要素と呼ばれる速度、距離、時間の3つです。変速機(トランスミッション)を通過した情報を記録する仕組みです。

タコグラフには、アナログ式(アナタコ)デジタル式(デジタコ)の2種類が存在します。アナタコはチャート紙に物理的に記載された波形から、目検でデータを読み取ります。

デジタコに比べて安価に導入でき、装着するだけで簡単に利用できるものの、ドライバーによって運行状況を改ざんしやすいというデメリットがあります。また、走行データは数値ではなくチャートで出力されるので、読み取るためには専門的な知識と経験が必要となります。

一方、デジタコは運行記録がデジタルデータとしてメモリーカードや通信で収集されるため、誰でも取り扱いやすく、パソコンで処理して必要に合わせて見やすい形にととのえたり、走行内容を解析したりできます。

デジタコは、アナタコでは記録できなかった多くのデータに対応していることも特徴です。たとえば急加速や急減速などエンジン回転数の急激な変化、ドアの開閉、アイドリング情報、GPSによる位置情報なども把握できます。

製品によっては、車線逸脱や前方車両接近などの危険運転を察知しリアルタイム警告を発したり、運転評価できたりする機能を持つデジタコも存在します。

アナタコからデジタコに乗り換えるメリット

アナタコからデジタコに乗り換えるメリットは少なくありません。特に大きいメリットを2つ紹介します。

1つめは走行状況の把握・管理と業務の効率化です。アナタコだと走行状況がチャートで出力されるため、管理者がリアルタイムでドライバーの状況を把握できず、また、データの読み取りにも時間がかかりました。データを読み取れても、走行中はどのルートを走っているのか、車両停止中は作業しているのか休憩しているのかを判断することはできません。

また、アナタコだと自分に都合の悪いデータを消去できるため、他人の目がある場所とそうでない場所での勤務態度に差があるようなドライバーが発生してしまいます。デジタコに乗り換えることで、すべての走行状況が管理者に筒抜けになるため、自分勝手な勤務態度はできなくなります。

急ブレーキや迷惑なアイドリング、予定にない寄り道、予定外の休憩など、一部の仕事が雑なドライバーによる乱暴運転や自分勝手な行動がすべて記録・管理されることでドライバーが自分の勤務態度を見直さざるを得なくなり、運転に対する意識の向上やモラルの改善につながります。悪気なく乱暴運転しているようなドライバーに対して、警告を与えたり、安全運転指導を与えたりすることも可能です。

また、過剰な連続勤務なども把握できるため、適切なドライバー管理をおこなえます。これにより、起こり得たかもしれない大事故を未然に防ぐことができ、取引先や顧客など社会からの信頼を維持できます。もちろん、データが数値で記録されるため解析の時間が不要になり、作業効率が上がることも大きなメリットです。

2つめのメリットはデータの共有化や新技術との連携が可能な点です。たとえばデジタコとドライブレコーダーの機能を連携させることで、危険地点での警告や事故解析、渋滞情報といった走行時に注意が必要な情報を共有できます。

国土交通省ではトラック・タクシー・バスなど営業車両を用いる事業者に対して、認定するデジタコ、ドラレコを導入した場合、機器購入にかかる経費を補助しています。これは運行管理の高度化に対する支援で、交通事故防止を目的としています。事業者やドライバーの枠を超えて走行情報を共有でき、事故減少につながれば、それは社会全体にとっても嬉しいメリットです。

デジタコを導入するときの流れ

デジタコを導入する一連の流れをご紹介します。まず、デジタコの販売・施工・保守サービスを提供する会社を2~3社ほどリストアップし、問い合わせをしましょう。取り扱い製品の性能や価格、取付にかかる費用、施工期間、アフターフォローなどを相談し、回答を比較して、一社に絞り込みます。

次に、問い合わせの結果絞り込んだ一社と打ち合わせます。自社の業務内容、導入目的、必要とするデジタコの機能、効果を伝えて、適した機器を提案してもらいます。この段階で設置に関する不明点、契約に必要な書類、準備が必要な手続きなどを聞いておきます。

導入したいデジタコが決定したら、契約を交わし、対象車両にデジタコを装着します。装着後、実際の運用を想定した設定・活用方法をカスタマイズして、短期間での仮運用をおこないます。

実際に走行して正常に動作しているか、不具合がないか、使用方法にわからない点がないか確認します。仮運用で問題がない自社管理可能な状態になったら、本運用に移行します。使用中に不明点・トラブルが発生した場合には、その都度問い合わせて解決することが肝心です。

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まとめ

アナタコからデジタコに乗り換えるメリットと、導入する際の流れを解説しました。タコグラフは走行車両の速度、距離、時間を記録する機器です。

デジタコではそれらのデータに加えて、エンジン回転数の急激な変化、アイドリング情報、GPSによる位置情報などをリアルタイムで、かつ誰が見ても読み取りやすい形で取得できます。これにより、アナタコでは困難だった詳細な走行状況の把握、適切なドライバーの管理、業務の効率化が図れます。

デジタコを導入する際には、必要な機能を備えている機器を選び、仮運用の際に不明点や問題点がないか解消してから本運用に移行しましょう。

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