タコグラフの歴史とデジタコ義務化の流れ

公開日:2025/05/26  

タコグラフの歴史

タコグラフ(運行記録計)とは、トラックの運行記録をする機器のことです。ドイツで誕生したこの装置は、現代の物流でも活躍を続けています。その中でも、デジタコは2017年より導入が義務付けられました。本記事では、タコグラフの歴史や義務化の流れにスポットを当てて詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

タコグラフとは?

そもそもタコグラフ(Tachograph)とは、1950年代にドイツで誕生した運行記録用計器であり、車両の運行状況を記録する装置です。その名称は、回転速度計を意味する「Tachometer」と記録を示す「Graphink」を組み合わせたもので、速度・時間・距離の「法定三原則」を記録することを主な目的としています。

タコグラフは、ドライバーの安全運転の確認や労働時間の把握などに活用されており、安全輸送の観点から非常に重要な役割を担っています。かつてはアナログ式のタコグラフが主流でしたが、近年では技術の進化にともない、デジタル式タコグラフ(デジタコ)が急速に普及しています。

デジタコは、走行時の情報をすべてデジタル形式で記録する装置です。法定三原則に加え、急加速や急減速、アイドリング時間など、より多くの情報を取得・管理することが可能です。

日本では、タコグラフの設置は国土交通省の貨物自動車運送事業輸送安全規則により義務付けられています。1960年代からは、長距離路線バスや路線トラックなどへの設置が進められ、現在では事業用トラックや法人タクシーにも設置対象が拡大されています。

アナタコとデジタコの違い

デジタコとアナタコは、いずれも車両の運行状況を記録する機器です。しかし、記録できる情報や操作性、信頼性などに大きな違いがあります。両者の主な違いは、記録内容・使いやすさ・改ざんのしにくさ・コスト面などに見られます。

記録内容

デジタコは速度、時間、距離といった基本的なデータに加え、GPSによる位置情報、エンジン回転数、空車での走行、急加速・急減速、ドアの開閉、アイドリング時間など、より多くの詳細な運転データを記録できます。一方、アナタコは速度、時間、距離といった基本情報のみの記録に限られます。

使いやすさ

使いやすさの面では、デジタコは専門知識がなくても扱いやすく、運転日報や報告書の作成も簡単に行えます。対してアナタコは、記録内容をチャート紙に針で描かれる線から読み取る必要があり、専門的な知識が求められます。

改ざんのしにくさ

改ざんや偽造に対する信頼性についても、デジタコはデジタル形式で記録されるため改ざんが困難であり、証拠性の高い記録が可能です。これに対し、アナタコは紙のチャートを使用するため、デジタコと比べると改ざんが容易であるという課題があります。

コスト面

コスト面では、デジタコは初期費用が5万円〜30万円と高価で、高機能なモデルほど費用も上がります。一方、アナタコは高くても数万円で導入でき、チャート紙も1枚10円程度と運用コストは低めです。

デジタコ導入時には助成金や補助金を活用しよう

デジタコの導入は、安全運行の支援や業務効率化に大きく貢献する反面、コスト面での負担もあります。そのため、自社の業務に必要な機能とコストのバランスを検討して機種を選定することが重要です。

なお、導入にあたっては、国土交通省、厚生労働省、経済産業省などが提供する助成金や補助金制度を活用することで、費用の軽減が可能となる場合があります。

デジタコ義務化の流れ

デジタコの義務化は、国土交通省を中心に進められている重要な取り組みです。その背景には、運送業界に蔓延するドライバーの長時間労働の是正や労働環境の改善といった課題があります。

デジタコの義務化の背景

インターネット通販の急成長により物流の需要が急増し、ドライバーは慢性的な人手不足の中で過酷な労働に晒されています。さらに、物流センターでの荷待ち時間など、業務上のタイムロスも深刻で、過労や連続勤務による事故リスクも高まっているのです。

こうした状況の中で、デジタコは運転記録を外部から正確に監視・把握できる手段として注目されており、安全運行を支援するツールとして有用です。

タコグラフの義務化の歩み

タコグラフの義務化は段階的に進んできました。1962年には片道100キロ以上の路線トラックに、1967年には最大積載量5トンまたは総重量8トン以上の事業用トラックに装着が義務化され、2013年の道路法改正により監督体制が強化されました。2015年以降は、新たに購入される7トン以上の事業用車両についてデジタコの搭載が義務化され、2017年には既存車両も対象となり、法令はより厳格になっています。

今後、装着義務の対象はさらに拡大する可能性が高いです。現在は義務化されていない2トン車や白ナンバー車についても、将来的には対象となる可能性が指摘されています。

デジタコ義務化による課題

ただし、現場の声には課題もあります。デジタコ本体の価格は1台約17万円と高額であり、台数分の導入費用に加えて管理システムの運用にもコストがかかるのです。2013年の法改正前には、中小運送業者から「経営が厳しく導入は難しい」「義務化されてから対応する」といった慎重な意見も多数見られました。

一方、大手企業はデジタコ搭載車にステッカーを貼るなどして、法令順守の姿勢を積極的にアピールして、企業イメージの向上にもつなげています。完全な普及にはまだ時間がかかるものの、今後はデジタコの導入が「企業の信頼性」を示す指標の一つとなっていくでしょう。

まとめ

タコグラフは、トラックの運行状況を記録する重要な装置であり、ドライバーの労働環境の改善や安全運行の確保に貢献してきました。とくに近年では、より多くの情報を正確に記録できるデジタル式のデジタコが主流となりました。デジタコなら、法定三原則に加えて、急加減速やアイドリング時間などの詳細な運転データも管理可能となっています。国土交通省をはじめとする関係省庁は、ドライバーの長時間労働是正を目的にデジタコの義務化を段階的に進めており、今後は中小型車両や白ナンバー車にも義務が拡大される可能性があります。デジタコの普及は、より安全で効率的な物流社会の実現に不可欠な要素となるでしょう。

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