タコグラフがなかったらどうなる?不備があった場合の問題点

公開日:2025/01/15  

タコグラフ 不備タコグラフは、車両の走行時間・走行距離などを記録できる運行記録計です。タコグラフはトラックなどの車両に装着が義務化されており、不備があれば罰則の対象となるケースもあるため注意が必要です。今回は、タコグラフの不備による処罰に加え、タコグラフ導入の効果について解説するため、ぜひ参考にしてください。

タコグラフがなかったら処罰がある?

タコグラフとは、トラックなどに装着する運行記録計のことです。車両の走行速度や危険運転の有無のほか、休憩をしっかりと挟んでいるかどうかなどをチェックするための設備です。

タコグラフは、長距離トラックによる事故が多発していることを受けて運行管理を徹底する目的で導入されています。事故防止はもちろん、ドライバー自身の健康・安全を守るためのものです。ここでは、タコグラフの装着や不備があった場合の処罰について詳しく解説します。

タコグラフの装着は法律で義務化されている

タコグラフの装着は道路交通法で義務化されており、対象車両として挙げられるのはトラックやハイヤー、タクシー、貸切バス、路線バス、事業用自動車などです。タコグラフの装着自体はもちろん、SDカードの装填や正確な時計合わせなどの条件も求められます。

タコグラフに不備があると罰則金の支払いが必要

タコグラフの装着が義務化されている車両にタコグラフがない場合や、装着してあってもSDカードが装填されていない・時計が合っていない場合には、道路交通法違反となります。タコグラフが装着されていないままの走行は記録義務違反に該当し、30日間の運転使用停止の行政処分の対象です。

また、タコグラフ自体は装着されていても、SDカードが装填されていない・時計が合っていないなどの不備がある場合には、罰則金として普通自動車であれば4,000円、中型車・大型車で6,000円の支払いが必要です。タコグラフ自体は装着された状態で不備があるケースでは、行政処分はありません。

タコグラフで法律違反を「見える化」!

タコグラフには、法律違反を見える化する役割もあります。ここでは、タコグラフによる法律違反の可視化について詳しく解説します。

タコグラフの導入によって管理・監査がスムーズに

タコグラフによって運行管理・運行記録はデジタル化されており、正確なデータをリアルタイムで確認できるようになりました。車両の走行スピードなどはもちろん、目的地までにどの程度休息を取っているか、荷待ち時間はどの程度かといった情報まですぐに確認できます。

これにより、記録管理や監査の際のチェック・処分もその分厳しくなります。

実際の法律違反と処分の事例

2015年、札幌市の運送企業に対して北海道運輸局より30日間の業務停止処分が科された事例がありました。当運送企業は労働基準監督署より従業員の拘束時間・乗務時間を現状よりも短くするように指導を受けていたにもかかわらず、指導を無視して基準を著しく違反する長時間乗務を繰り返していたことが原因で行政処分を受けることになりました。

さらに、当運送企業に運送業務を依頼していた元請け企業にも警告書が発行されており、厳しい対応に注目が集まった事例です。タコグラフの機能性が上がっていることで今後はさらに監査体制が厳しくなることが予想されるため、基準を超える長時間乗務は避けることが重要となります。

デジタルタコグラフなら見えない乗務時間も見える化できる

日常的に長距離運転を行う企業では、ドライバーの時間管理が必須です。ここでは、デジタルタコグラフによる乗務時間の見える化について詳しく解説します。

乗務時間・休息時間管理の重要性

運送業者の中でもとくに長距離移動を伴う企業では、乗務時間・休息時間の管理や改善に頭を悩ませるケースも少なくありません。基準を超える長時間乗務は乗務基準違反に当たるため、拘束時間の改善や休息時間の確保が求められます。

ドライバーの時間管理は事業者の義務であり、拘束時間・乗務時間を明確に定めること、帳票などを利用して時間管理を徹底することなどが必要です。

デジタルタコグラフの導入で乗務時間も可視化

デジタルタコグラフを購入すれば、車両の移動経路や移動時間、ドライバーの管理などをリアルタイムで把握できます。タコグラフによって細かな機能は異なるものの、GPSによるリアルタイム勤怠管理や、データをもとにした自動での日報作成なども可能です。

これにより、ドライバーの労働環境の改善へつながることを期待されています。

まとめ

今回は、タコグラフに不備があった場合の罰則や、タコグラフ導入による法律違反・乗務時間の見える化について詳しく解説しました。タコグラフはトラックなどに装着する運行記録計のことであり、装着がない場合や不備があった場合には、罰金・運転使用停止などの処分が科せられます。タコグラフを導入すれば、走行スピードや危険運転の有無はもちろん、乗車時間や休息時間なども正確に把握することが可能です。そのため、法律違反があればすぐにチェックできるほか、ドライバーの時間管理もスムーズになります。さらに、デジタルタコグラフによってはGPSによるリアルタイム動態管理や、データをもとにした自動での日報作成などの機能も利用できます。運送業界に携わっている人、ドライバーとして働いている人は、今回の記事をぜひ参考にしてください。

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